はじめに
今回は、仕事場で一緒に作業されている方について書きます。
皆さまの周りにも、こんな方、いらっしゃらないでしょうか。
どんな方かというと、仕事ができない方、と切り捨てるような方ではないのですが、
周りはちょっと疲れる、そういう方です。。。
「個人としてのスキルは非常に高いのに、周囲に仕事を振ることができず、自分一人でタスクを抱え込んでしまう」
まず、チームで成果を上げることが求められる環境において、仕事を抱え込んでしまうメンバー(特にリーダー候補)の
存在は、チーム全体の生産性や雰囲気に大きな影響を与えます。
私自身、人に作業を振るのが得意な方ではないため、その気持ちも分かります。
しかし、周りのメンバーとしてその状況を客観的に見ていると、
そこには「単純には解決できない根深い構造的な課題」が存在していることに気づかされます。
今回は、現場で実際に起きている「仕事が振れないAさん」の事例をもとに、
その課題の背景と、周囲が抱える隠れたプレッシャーについて書きます。
1. 現場で起きている「偏り」の実態
まず、現場の状況を客観的な数字と状態で見ると、以下のようなアンバランスが生じています。
- 業務量の偏り: 周囲のメンバー(2):Aさん(8)
- 周囲の状況: 手が空いており、いつでもフォローできる状態
- Aさんの状況: 毎日大量のタスクを一人で抱え込み、多忙を極めている
周囲のメンバーは決して忙しい雰囲気を出しているわけでもなく、作業を引き受ける準備はできています。
しかし、一向に仕事が振られてこない。その結果、チームとしての一体感や効率的な業務分担からは
程遠い状態が続いてしまっています。
さらに問題なのは、Aさんが「チームリーダー候補」という立場にある点です。
プレイヤーとしての個人の成果だけでなく、チームを指揮して成果を出すことが求められているにもかかわらず、
やり方が追いついていません。
2. なぜ解決が難しいのか? 3つの要因
この状況を打開しようとアプローチを試みても、一筋縄ではいきません。
そこには大きく3つの要因が絡み合っているからです。
Factor 1:個人としてのスキルが高い
Aさんはプレーヤーとしての能力が高く、自分で作業をこなすスピードや精度を持っています。
だからこそ、「自分でやったほうが早い」「頼む説明をする時間がもったいない」という思考に
陥いっているように思われます。(本人は、そんなことはないと言っていますが、、、)
Factor 2:個人行動が多く、ノウハウが共有されない
スキルが高い一方で、自分のナレッジや手順を言語化して周囲に引き継ぐ姿勢がほとんど見られません。
結果として「Aさんにしかできない作業」が残り続けます。。。
Factor 3:メンタル面への配慮が必要(デリケートな管理)
最も大きなハードルがここです。Aさんは、業務の負荷やプレッシャーが高まると体調を崩しがちになるため、
周囲は伝え方や仕事の依頼方法に細心の注意を払わなければなりません。
強く指摘することもできず、常にフォローすることが前提になっています。。。
3. 現状取れるアプローチと限界
現在、現場で実践できている対策は、よく言えば、非常に手堅く、配慮が必要なものになっています。
- 波風を立てず、少しずつ作業の難易度を上げる
- 問題が発生した際に、すぐにフォローできる体制を整えておく
メンタル面のケアを含めると、この「少しずつの歩み」が、現実的な解と考えています。
しかし、別の面から見ると、現実的な解、というだけではダメなのでは、、、という不安が頭をよぎります。
4. 周囲のメンバーが直面する「見えないプレッシャー」
その不安とは、Aさんの成長ペースそのものよりも、「組織や第三者からの視点」です。
- 時間の猶予(会社の許容限界): 会社や組織が、こうした手厚い、ゆっくりとした育成期間を
いつまで許容してくれるのか。 - 達成レベルと評価のギャップ: どれだけ時間をかけても、現状できているのは「基礎的な部分」です。
事情を知らない外からの目(他部門や上層部)には、「なぜあのチームは成果のスピードが遅いのか」、
「なぜ仕事の偏りが解消されないのか」と冷ややかに映るはずです。
現場としては、Aさんのレベルに合わせたタスク設定を行い、
お客様からの依頼にもしっかりと応えています。
しかし同時に、「事情を知る現場の苦労」と「事情を知らない周囲の冷ややかな目」の板挟みという現状もあります。
「突然『もういいよ』と梯子を外されるのではないか」というプレッシャーを受け続けることになります。(なっています。)
まとめ:正解のない難題とどう付き合うか
「人に仕事を振れない優秀な人」の育成は、一朝一夕で解決する魔法の特効薬はありません。
- 本人への慎重なアプローチ(メンタル配慮と段階的なタスク移管)
- チーム全体の生産性と評価を守るための防衛策
この2つのバランスを取りながら、粘り強く歩みを進めていくしかないと考えています。
同じような環境で悩み、プレッシャーを感じている方の思考の整理や、
チームの進め方を再考するきっかけになれば幸いです。