はじめに
とても悲しいニュースです。
といっても、9月頭には公表されていたことなのですが、SBKでヤマハに所属されていた、
ジョナサン・レイ選手が、2025年限りで引退されるとのことです。
6度のSBKチャンピオンですから、遅いなんてことはないのですが、今年は勝利数が0ということもあり、
以前のような強さは無くなってきているのかもしれません。
なかなかチャンピオンに届かなかった、カワサキのバイクでSBKチャンピオンになり、
カワサキ、ニンジャ=速いバイクという印象を世界に与えた立役者だと思います。
今回は、そんなジョナサン・レイ選手について書きます。
私がジョナサン・レイ選手を知ったのは
やはり、2015年、カワサキで初めてチャンピオンになった時です。
正直、SBKでのチャンピオンと言えば、ドゥカティやアプリリアといった、欧州のメーカーというイメージでした。
しかし、日本の、しかもカワサキでチャンピオンになり、とても驚いた記憶があります。
相変わらず、直線はドゥカティが早かったですが、コーナリングスピードの速さ等で劣る部分を補い、
結果、チャンピオンになりました。本当に凄いと思います。
私の勝手なイメージですが、直線がドゥカティに比べて遅い日本のメーカーは、
コーナリング等で無理をして、転倒、あるいはタイヤを使い過ぎて、
最終的に順位が下がってしまうというレースをすることが多かったように思います。
技術的に、馬力=直線スピードを出すことは可能だと思われますが、
全体のバランスを考慮してか、直線スピードは、ドゥカティに劣ることが多かった記憶です。
さらに凄いのは
その後、2020年までの6年間、SBKでチャンピオン、6連覇をしたことです。
もう正直、強すぎてつまらないと思えるくらいでした。
カワサキが良いバイクを作り、ジョナサン・レイ選手が速く走らせ、勝つ。
本当に良い循環が起きていたのだと思います。
加えて
2019年には、鈴鹿8耐にも出場し、見事優勝しました。
カワサキは26年ぶりの優勝でした。
現役バリバリのSBKチャンピオンが来て、はたして優勝できるのか、と疑問をもっていましたが、
紆余曲折ありつつ、結果、キッチリ勝ってしまいました。
レースは、マシンやライダーだけが良ければ勝てるものではありません。
運などを含めた結果としての勝ち負け、順位が付きます。
そういった状況で、日本の鈴鹿8耐に来てくれて、その上期待通りに勝ってしまう。
本当にとんでもないライダーだと思いました。
カワサキの後は
ヤマハに移籍しましたが、マシンが合わなかったのか、正直あまり活躍できていなかったように思います。
カワサキと同じ並列4気筒エンジンですから、相性は良いと思っていたのですが、、、
そして、2025年いっぱいで引退。残念ですが、まずはゆっくり休んで欲しいです。
今後の活動は?
引退の際に乗っていたバイク、メーカーはヤマハですが、貢献度としてはダントツでカワサキなので、
カワサキの広告塔になったりしないかなと、勝手に思っています。
日本メーカーであるカワサキで、もの凄い功績を上げたライダーですから、
日本のファンも多いと思います。
カワサキのカラー、ライムグリーンが似合います。笑
レースやモーターショー等に参加してもらえると、日本のファンは喜ぶと思いますが、
残念ながら、日本ではSBKが開催されず・・・
これはいつも思うところですが、世界最高峰の市販車レースであるSBKを直接見る機会が無いのは、
とても損をしていると思いますし、悲しいです。
最後に
ジョナサン・レイ選手、お疲れ様でした!
なかなか日本でのバイクレースが盛り上がらない中、カワサキのバイクで6度チャンピオンを取ってもらったことに、
多くのバイクレースファンは感謝していたと思います。
これで、少しでもバイクレースの人気が出れば、という想いです。
私は、メーカーとしてはスズキが好きですが、カワサキも凄いな、速いなと心底思いました。
そんなことを考えながら、2026年シーズンもSBKを見ていこうと思います。